2024.02.06

広告協賛とは?スポンサー側のメリットや利益に繋げるためのポイントを解説

団体・企業・スポーツチームで資金調達のために「広告協賛」を企業に募集や依頼する場合がありますが、そもそも広告協賛とはどういったものなのでしょうか。

本記事では、大学部活でも活用できる広告協賛の特徴やスポンサー側のメリット、利益に繋げるためのポイントについて解説します。

広告協賛は依頼する側だけでなく、資金を提供する側にとっても、認知度の向上や利益率アップなど様々なメリットがあるため、この機会にぜひご確認ください。
また、協賛にも様々な種類があり、それぞれ詳しくご紹介しますので、この記事を参考に企業にとっての広告協賛の必要性を理解し、大学部活に活用する際の判断材料としていただけたらと思います。

協賛とは?

そもそも協賛とは、イベントやアスリート・アーティスト等の個人や団体の趣旨や方針に賛同して、協力または支援することを指します。

近年でポピュラーになっている資金調達方法にクラウドファンディングがありますが、複数の個人から資金を調達するクラウドファンディングに比べ、企業が主な提供先である協賛は1口当たりの金額が高くなるというメリットがあります。

協賛に欠かせないスポンサー企業

協賛を募集・依頼する個人や部活(団体)に対して援助を行う企業をスポンサー企業(協賛企業)と言い、多くの場合、資金や物品を提供します。

「協賛」と「スポンサー」では関与の仕方が少し異なり、協賛は相互の利益を追求するパートナーシップが強調されるのに対し、スポンサーは主に資金提供が中心で、その代わりとしてブランド名やブランドロゴがイベントなどに関連付けられ、広告掲載されることが期待されます。

ただし、日本では同じ意味で使われるケースが多いです。

「スポンサー」と聞くとプロスポーツ選手やオリンピックなどの大会にスポンサーがついているのをイメージする方も多いと思いますが、大学の部活などにおいても利用されています。

協賛の種類

企業が協賛するというと、協賛金の提供をイメージしてしまいがちですが、協賛の種類は多様化しています。
これから解説する広告協賛のほかに、以下のタイプがあることを覚えておきましょう。

・現金(資金)協賛
・物品協賛
・技術協賛
・人的協賛
・貸与協賛

それぞれ詳しくご説明します。

現金(資金)協賛

現金(資金)協賛は、現金を提供する支援方法であり、最もポピュラーな協賛です。
企業がイベントや大会の開催などに対して、協賛する(応援する・賛同する)際に資金(協賛金)を支払います。
企業側にリターンとして提供されるものは様々です。

物品協賛

物品協賛はお金で支援をするのではなく、物品品物を支援する方法です。
例えばイベントの参加者に協賛側のアイテムを配布したり、運営に役立てたりします。
顧客となり得る人に対して直接手に渡ったり手にしたりするため、企業にとっても高い宣伝効果が期待できるというメリットがあります。

技術協賛

技術協賛は、現金や物品を提供するのではなく、プログラムやツールなど、企業側が保有する技術を提供する支援方法です。
珍しいタイプの協賛ですが、企業が自信を持っている技術力の高さをアピールすることに繋がりますし、ブランド認知度の向上も期待できます。
さらに、他にない技術だとすれば技術協賛が他の企業の目に留まり、新たなビジネスの機会を得るきっかけも作れるでしょう。

人的協賛

人的協賛は、人的リソース支援で、協賛するイベントや大会にたいして企業側から人材を派遣したり、企業ブースを出展したりするものです。
技術協賛と同様に、企業の強みをアピールする方法として活用できます。

貸与協賛

貸与協賛は物品協賛と同じく、品物で支援するタイプの協賛で、主にスポーツ大会やイベントで使う機材や備品、会場や駐車場などを提供します。
こちらは貸与ですので、協賛先がイベント終了後に品物を返却する必要があります。

広告協賛とは

広告協賛というのは、企業や団体から資金的な援助を受けた対価として広告や宣伝を行うことです。
資金協賛と同様に現金を支援するタイプの協賛であり、イベントやプロジェクトにおいて資金が必要な際に行われるケースが多く、主にイベントのパンフレットやサイトなどに広告が掲載されます。

資金協賛と違うのは、協賛側はリターンとして広告枠がもらえるのが約束されている点です。
一般的には、金額が定められた広告枠に対して企業がその広告枠を購入するもので、金額が高いものほどリターンとなる広告も充実している傾向にあります。

スポーツ選手やチームにメリットが大きい広告協賛

スポーツ選手やスポーツチームに協賛が付くことが多いと先述しましたが、それには以下のメリットがあるからです。

・活動に必要なまとまった資金を得られる
・認知度が上がり優秀な選手を獲得しやすくなる
・チームの成績が上がる

協賛広告によって資金調達ができれば、経済的負担が軽減できるほか、部活の規模や練習内容をより充実させられます。
練習の場所や設備を拡充したり、優秀な指導者を確保したりすれば、結果的にチームの成績が上がることに繋がるでしょう。
また、協賛広告で部活自体の認知度が上がれば、優秀な選手を獲得できる可能性もあり、さらなるレベルアップを図れます。

広告協賛のスポンサー側のメリット

広告協賛は資金を提供する企業側にとっては金銭的なデメリットが大きいように感じますが、スポンサーは主に以下のメリットを得られます。

・企業やブランド名、サービスの認知度アップに繋がる
・商品やサービスの売上増加に繋がる
・企業の好感度アップに繋がる
・人脈を広げて新規顧客を獲得できる
・CSRなどの社会貢献ができる

広告協賛は広告枠がもらえることが決まっているため、協賛先が企業のニーズに合っていれば大きな利益を生み出せるでしょう。
スポンサーのメリットについて詳しく解説します。

企業やブランド名、サービスの認知度アップに繋がる

協賛を依頼した側(大学部活)は、協賛してくれた企業に対して広告や宣伝によって企業をPRします。
これにより、イベントや大会の参加者に対して企業の名前や商品・サービスを認知させることができるでしょう。

大きなイベント・大会であれば、そのぶん多くの人に協賛企業をアピールできます。
協賛企業の売上に繋げるためには、まずブランド名や商品・サービスを広く知ってもらう必要があるため、広告協賛は効果的な宣伝方法だと言えます。

商品やサービスの売上増加に繋がる

協賛する企業名だけでなく商品やサービスを広告に出せば、それらの売上増加に繋がります。

特に、商品やサービスを提供したいターゲット層と参加者がマッチする提供先(大学部活やイベント)を選べば大きな効果が得られるでしょう。

また、協賛企業がお金を提供する他にも自社製品を提供する場合もあり、イベントや大会の参加者に配布されたり、グッズとなったりすることで多くの利益を獲得できます。

CSRなどの社会貢献ができる

近年では、企業が利益を追求するためだけではなく、CSR(社会的責任)を果たすために、協賛企業となるケースも多いです。

CSRとは、企業が社会に対して責任を果たし、環境問題の改善や地域発展のための活動など、社会とともに発展していくための行動を指します。

比較的経営が安定した企業が社会的に弱い人や支援を必要とする団体に対してスポンサーとなる傾向にあり、大学の部活やアマチュア選手のスポンサーとなる企業も多いです。

企業の好感度アップに繋がる

スポーツは観客や視聴者の感情を引き起こし、多くの共感を生みます。

そのため、スポーツや選手、大学部活のスポンサーとなることで、スポーツに対するイメージとリンクし、協賛する企業自体の好感度アップに繋がります。

また、企業が社会貢献しているというアピールにもなるため、良い印象を人々に与えられるでしょう。

新規顧客を獲得できる

スポンサー企業になると、イベントや大会を通して企業同士が関わり合うきっかけとなり、人脈を広げられる可能性が高いです。

それによって新規顧客を獲得できたり新たな事業展開に繋がったりします。

また、スポンサーとなることでこれまでアプローチしてこなかった層にも自社の魅力を伝えられるため、新しい顧客の獲得に有効な手段となるでしょう。

協賛広告を掲載するまでのステップ

広告協賛の契約を締結させ、実際に広告が掲載されるまで、基本的には以下のステップで進められます。

・協賛広告の内容を決定・提案書の作成
・協賛企業を募集する
・申し込み対応・打ち合わせをする
・契約を締結する
・広告の掲載/協賛広告料金の請求

それぞれ詳しく見ていきましょう。

協賛広告の内容を決定

まずは協賛を依頼する側(大学部活)が企業に提示する協賛広告のメニューを決めます。

一般的に、パンフレットやホームページなどの広告枠を洗い出し、掲載期間の設定、期間や規模に応じた金額を設定していくのです。

また、企業に営業をかける場合もあり、あらかじめ提案書が作成されます。

協賛企業の募集

広告メニューが決まったら、実際に協賛してくれる企業を探します。
協賛企業を集める方法は以下の通りです。

・メールや電話で企業に営業をかける
・ホームページで募集する
・SNSで情報を発信する
・プラットフォームサービスを利用する

大手企業であればスポーツチームやイベント主催者側から広告協賛を依頼される場合もありますが、募集に対して企業側から協賛に立候補するケースもあります。

商談・打ち合わせ

スポンサーになっても良いと思えるものがあれば、担当者へ連絡をとり、商談や打ち合わせを行います。
協賛は相互の利益を追求するものであり、企業側は提供する支援に見合ったリターンを得られるかを確認しながら対話をしていきます。

契約書の作成・締結

お互いのニーズが一致し、広告協賛を進める場合、協賛先が作成した契約書を確認して締結します。
契約書の内容に問題はないか、双方に利益が見込めるものであるかをよく確認して調印を実施してください。

広告の掲載/協賛広告料金の請求

基本的に協賛金を支払うのは、成果物が完成して確認してからになります。
広告を掲載する前に企業側が決めた企業名やデザインが希望通りになっているかチェックします。
実際に広告を掲載できるかどうかは、広告審査を行い、公序良俗に反していないかなどを確認してから判断することになります。

スポンサーが広告協賛を成功させるポイント

コストをかけて広告協賛を実施するのですから、最大限の効果を期待するものです。
スポンサーとなる企業が広告協賛を成功させ、メリットを享受するためには、以下のポイントをチェックしましょう。

・広告協賛を実施する目的を明確化する
・企業と親和性が高いか確認する
・企業のイメージ低下に繋がるものを避ける

詳しくご説明します。

広告協賛を実施する目的を明確化する

広告協賛を実施することで、自社にどのような利点をもたらすのか、具体性を持って示しておく必要があります。
自社が抱えている課題や、企業にとっての広告協賛を行うメリットを明確化して取り組みましょう。
目的が企業の好感度を上げるためなのか、社会貢献なのかによっても施策が変わってきますし、何に対して協賛するのかも変わってきます。

企業と親和性が高いか確認する

あまりにもスポンサーとなるものが自社と関連性がかけ離れていると、企業価値を損ねる恐れがあるので、自社と親和性が高いものを選んでスポンサーとなるのがおすすめです。

企業にとって関連性の高い顧客との接点を持つことが企業の認知度や好感度の向上、売上に直結します。

そのため、お互いのニーズが一致しているかをリサーチしたうえで選ぶとうまくいきやすいでしょう。

企業のイメージ低下に繋がるものを避ける

なぜなら、社会的にイメージの悪いイベントや団体と契約を結ぶのは避けるようにしましょう。

なぜなら、そのようなものと関係性があると世間に広まれば、資金獲得や認知度の向上は期待できるものの、企業イメージや信用度が下がってしまう恐れがあるからです。

そのため、企業にとってマイナスとならないかをよく確認し、企業にマッチするものに広告協賛を実施するようにしましょう。

広告協賛を理解して自社の利益に繋げよう

協賛とは、企業と協賛先が共に成長し、成功に導くための重要なパートナーシップ形態です。

中でも、広告枠を企業に与えることが約束される広告協賛は、認知度の向上や企業イメージアップ、売上の増進、求人応募数の増加など様々なメリットがあるため、ご活用を検討していただけたらと思います。

参考

https://www.gakuseikyosan.com/media/?p=445#:~:text=%E6%9E%A0%E3%81%AE%E7%A8%AE%E9%A1%9E-,%E5%BA%83%E5%91%8A%E5%8D%94%E8%B3%9B%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F,%E5%BA%83%E5%91%8A%E3%82%92%E6%8E%B2%E8%BC%89%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

https://sportsmeshi.com/chance/

https://www.gakuseikyosan.com/media/?p=241

https://www.marke-media.net/whitepaper/what-is-sponsorship/#:~:text=%E3%80%8C%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%80%8D%E3%81%A8%E5%8D%94%E8%B3%9B%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84,-%E5%8D%94%E8%B3%9B%E3%81%A8%E3%81%AF&text=%E5%8D%94%E8%B3%9B%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%82%84%E5%9B%A3%E4%BD%93%E3%81%8C%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%84%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88,%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E6%9C%9F%E5%BE%85%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82