2023.07.20

部費だけではまかなえない部活は必見!クラウドファンディングで実現する大学部活の資金戦略と成功事例

部活を運営するには、様々な費用がかかります。旅費や道具、施設の維持など、部費だけでは賄いきれないことも多いでしょう。そんなとき、クラウドファンディングが大学部活の強い味方になります。

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて多くの人から資金を集める仕組みです。この記事では、クラウドファンディングを利用して大学部活の資金調達を成功させた事例を紹介しま す。また、クラウドファンディングを始めるためのポイントや注意点も解説します。

部活のクラウドファンディング利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

クラウドファンディングの市場動向と将来性

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて多くの人から資金を集める仕組みです。近年、 世界的にクラウドファンディングの市場規模が拡大しており、日本でも様々なプロジェクトが実現 しています。

まず、クラウドファンディングの市場規模は、2019年には約3兆円、2020年には約4兆円と推計さ れており、年率で約30%の成長率を示しています。日本では、2019年には約300億円、2020年 には約400億円と推計されており、年率で約30%の成長率を示しています。このように、世界と日本のクラウドファンディング市場は共に拡大傾向にあります。

次に、クラウドファンディングの将来性についてです。クラウドファンディングは、資金調達だけでなく、マーケティングやコミュニティ形成などの効果も期待できる仕組みです。資金提供者にとっ ては、自分が応援したいプロジェクトや人に直接投資できる点や、リターンや感謝の気持ちを受け取れるメリットがあります。

また、社会的な課題やイノベーションに対する支援も可能です。これらの点から、クラウドファンディングは今後もさらなる発展が見込まれます。

しかし、クラウドファンディングにも課題があります。例えば、プロジェクトの遅延や中止、品質の低下などのリスクがあります。また、法律や税制などの制度的な整備も必要です。さらに、クラウ ドファンディングの普及や信頼性を高めるためには、プラットフォームやプロジェクト主、支援者などの関係者間のコミュニケーションや情報共有が重要です。

以上が、クラウドファンディングの市場動向と将来性です。クラウドファンディングは、多くの可能性を秘めた仕組みですが、同時に多くの課題も抱えています。今後は、関係者間の協力や制度的な整備を進めることで、より市場規模が拡大し、社会的な価値を創出する可能性が高いと考えられます。

クラウドファンディングで実現する大学部活の資金戦略

大学部活の運営には、運営費や備品購入などに多くの資金が必要です。しかし、学校や自治体からの補助金は限られており、自己負担やスポンサー探しに苦労するケースも少なくありませ ん。そこで、クラウドファンディングを活用して、部活の資金戦略を実現する方法を紹介します。

一般的には、資金提供者に対して、返礼品や感謝のメッセージなどを送ることで、支援の動機付けをします。クラウドファンディングには、以下のようなメリットがあります。

・資金調達だけでなく、部活の活動や目標を広く知ってもらうことができる
・返礼品やメッセージを通じて、支援者とのコミュニケーションや信頼関係を築くことができる
・スポンサー探しと比較して、手間やコストが少なくて済む

クラウドファンディングで成功するためには、以下のようなポイントに注意する必要があります。

・プロジェクトの目的や内容を明確にし、具体的な資金使途や計画を示す
・返礼品は、部活の特色や魅力を反映したものにする
・プロジェクトの進捗や成果を定期的に報告し、支援者との関係を維持する

クラウドファンディングは、大学部活の資金戦略において有効な手段です。しかし、成功させるためには、事前の準備や運営において、プロフェッショナルな姿勢が求められます。部活のメンバーや関係者と協力して、クラウドファンディングに挑戦してみましょう。

クラウドファンディングで成功した大学部活の事例

近年、様々なプロジェクトや活動にクラウドファンディングが利用されていますが、その中でも大学部活の事例が注目されています。大学部活は、学生が自分の興味や能力を発揮できる場で すが、予算や設備などの制約も多いです。そこで、クラウドファンディングを活用して、部活の目標や夢を実現するケースが増えています。

ここでは、クラウドファンディングで成功した大学部活の事例を紹介します。これらの事例からわ かるように、クラウドファンディングは大学部活にとって有効な資金調達方法です。

しかし、クラウドファンディングに成功するためには、プロジェクトの目的や内容を明確にし、支援者に対して誠実かつ魅力的に伝えることが必要です。また、支援者との関係を維持し、報告や感謝の表現を忘れないことも重要です。クラウドファンディングは単なるお金の集め方ではなく、コ ミュニティの創造や発展にも貢献する可能性があると考えましょう。

東京工業大学サイクリング部

東京工業大学のサイクリング部は、2022年にクラウドファンディングで約88万円を集めました。この資金は、「サイクルサッカー」の普及、練習環境の整備に充てられました。

サイクルサッカーとは、自転車に海苔ながらサッカーをするスポーツです。日本の競技人口は約 100人と少なく、練習環境も限られた地域でしか普及していません。

そこで、サイクルサッカーという競技を存続させるためにクラウドファンディングに挑戦しました。 同部活OBから世界選手権に出場する選手も輩出しているため、東京工業大学はサイクルサッ カー界を盛り上げる重要な役割を担っています。

佐賀大学女子アイスホッケー部

佐賀大学女子アイスホッケー部は、2018年に発足した若い部活です。佐賀県にはスケートリンクが無く、隣の福岡県まで行き、練習を行っています。部員数も少なく、練習で使用するスケートリ ンクの料金が高額で部員負担が大きいため、クラウドファンディングに挑戦しました。

目標金額は80万円でしたが、SNSでの継続的な情報発信などが支援者の目に留まり、目標金額を上回る82万円を集めました。「部員の金銭負担が多い」という問題を解決し、アイスホッケーのさらなる普及や競技を楽しむために、現在も精力的に活動を続けています。

天理大学ホッケー部

2023年度も「2年連続アベック優勝」を目指す天理大学ホッケー部は、活動費や遠征費などの資金をクラウドファンディングで募っています。目標金額は50万円で、現在は約18万円が集まって います。クラウドファンディングは、令和5年8月上旬まで受付中です。

クラウドファンディングに参加すると、リターンとして感謝メールや限定せんべい、トートバッグ、 ホッケー部の試合観戦などが贈られます。「常勝天理」と言われる同部活のアベック優勝は、実に19年ぶりでした。

7月に行われた大学王座決定戦では、活動の勢いそのまま念願の2年連続アベック優勝を達成 しています。

クラウドファンディングでの注意点

大学部活は、運営費や機材購入費などの資金調達に苦労することが多く、クラウドファンディン グは有効な解決策の一つと考えられます。しかし、クラウドファンディングを成功させるためには、 コツや注意点を把握しておく必要があるでしょう。ここでは、クラウドファンディングの注意点を紹 介します。

注意点①プロジェクトの目的や内容が不明確だった

プロジェクトページの必要な情報が不足しているケースがあります。部活の目的や内容はもちろ ん、日程や予算などの具体的な計画も掲載してください。また、リターンとして提供されるグッズやサービスの内容や価値も吟味する必要があります。

プロジェクトの魅力や信頼性が十分に伝えられないと、支援者からの反応は低く、目標金額を達 成することは難しいでしょう。

支援者は、自分がどんなプロジェクトに参加しているのか、どんな価値や意義があるのかを把握したいです。こうした問題の対策として、プロジェクトページでは、プロジェクトの背景や目的、内 容や成果物、日程や予算などの詳細を分かりやすく説明してください。また、リターンとして提供 するグッズやサービスも具体的で魅力的なものにしましょう。

注意点②プロジェクトの進捗や成果を報告しなかった

プロジェクトは目標金額を達成しても、その後のプロジェクトの状況や成果について支援者に報告していないケースがあります。このように発信を疎かにすると、支援者からは不満や苦情が多 く寄せられます。

支援者は、自分の支援したプロジェクトがどのように進んでいるのか、どのような成果が得られているのかを知りたいと思っています。報告しないことは、支援者に対する感謝や尊重が欠けていると感じるでしょう。

そのため、クラウドファンディングでは、プロジェクトの状況や成果を定期的に報告することが必 要です。報告することで、支援者にプロジェクトへの参加感や満足感が高まります。

また、報告することで、支援者とのコミュニケーションや信頼関係を強化しましょう。報告する内容は、プロジェクトの進行状況や課題や成功、成果物の写真や動画などです。報告する頻度は、プ ロジェクトの規模や期間に合わせて設定してください。最低限、プロジェクトの開始と終了時には報告しましょう。

まとめ

この記事では、大学部活の資金調達において、クラウドファンディングがどのように役立つか、またどのようなポイントに注意すべきかについて紹介しました。クラウドファンディングは、部活の活 動内容や目標を広く発信することで、多くの支援者を集めることができる有効な手段です。

しかし、クラウドファンディングを成功させるためには、事前の準備や計画、実施中のコミュニケー ションや報告など、様々な工夫が必要です。本記事では、クラウドファンディングに挑戦した大学部活の成功事例を紹介しながら、そのノウハウを分かりやすく解説しました。

これからクラウドファンディングに挑戦しようと考えている大学部活の皆さんは、ぜひ参考にしてく ださい。